Affero GPL(AGPL)は、GNU Affero General Public Licens の略称です。2002年3月にAffero, Inc. がバージョン1を策定し、その後、2007年11月にフリーソフトウェア財団が現在のバージョン3を発表しました。そのため、AGPLは、AGPLv3 と略されることもあります。
AGPLは、通常の GNU General Public License (GNU GPL、 GPL) バージョン3を改変したバージョンです。
GPL は、ソースコードの公開を原則とし、誰でも自由に入手、使用、改変、再頒布(販売も含む)することを認めていますが、大きな特徴の1つに、コピーレフトという考えがあります。コピーレフトでは、GPL に準拠して公開されたプログラムを改変したり、プログラムの一部として組み込んだ場合は、同時にその派生物も GPL を適用してソースコードを公開しなければなりません。
Linux をはじめ多くのオープンソースでGPLは利用されてきましたが、2000年代前半、現在では SaaS と分類されるインターネットを経由したサービス (ASP) が、GPL を利用したソフトウェアを利用して開発しているにもかかわらず、それらを公開しないことが GPL (当時は、バージョン2) の抜け穴になっていると認識されるようになってきました。これは、GPL に基づいたソフトウェアを Webサービスで利用した場合では、ソフトウェアは単に利用されるだけで、ディストリビューション(配布) されるわけではないため、コピーレフト条項が発動しないという問題です。
そこで、作成されたライセンスが AGPL となります。AGPL では、AGPL に基づいた著作物(通常は、Webサービス) を利用するユーザーに対して、GPL と同様にソースコードを提供する必要があることが決められています。
オープンソースを活用したクラウドサービスが一般的になっている現在では、AGPL をはじめとしたライセンス条項にも注意を払う時期になっているといえるでしょう。
参考リンク |
---|