eBPF

eBPF とは、カーネルのソースコードを変更したり、カーネルモジュールをロードしたりすることなく、安全かつ効率的にカーネルの機能を拡張するために使用するテクノロジーです。以前は、eBPFは略称であるとされてきましたが、公式サイトではもはや略称ではないとしています。

OS は、システム全体を監視・制御するカーネルを活用し、常に監視、セキュリティ、ネットワーク機能を実装していました。一方で、カーネルは、その中心的な役割と安定性・安全性に対する高い要求から、アップデートを頻繁に行い、新しい機能を追加しにくいという欠点があります。そのため、OS 技術の進化は、歴史的に緩やかでした。

eBPF は、カーネルを変更することなく、OS 内でサンドボックス化されたプログラムを実行できるようにすることで、開発者は、OS に実行時に機能を追加することができるようになります。この機能を利用することで、ネットワーク、オブザーバビリティ、セキュリティ機能など、さまざまな用途を実現する eBPF ベースのプロジェクトが開始されています。

例えば、eBPF ベースのプロジェクトとなるその Cilium は、ネットワーキング、サービスメッシュ、オブザーバビリティ、セキュリティ監視などの機能を提供し、Google、AWS、Microsoft という3大クラウドプロバイダーが採用を発表しています。

eBPF の推進を目的に、2021年8月に Google、Meta、Microsoft、Netflix、Isovalent が中心となり、Linux Foundation 傘下に eBPF Foundation 設立したように、今、急速に普及し始めています。